複雑な英文に出会ったときに役立つ知識

 英文を読んでいるときに内容がまったく頭に入ってこないということが、時々あります。ほとんどの人が、「単語がわからないから読めないんだ。単語さえわかれば読めるんだ。」と言いますが、逆に、ほとんどの単語の意味が分かる英文は、私はあまりであったことがありません。きちんと読んでみると、中学生の教科書にも、意味がとりにくい単語はたくさん出てきます。日本語を読んでいても、読めない漢字がたくさん出てくるので、ましてや外国語に関しては当たり前のことです。

 そういう時に私が受講生におすすめしている読み方がいくつかあります。その中で、今日は2つだけ書いておきます。

1  前置詞+名詞 のセットを探せ!

 前置詞は、名詞のかれるので、そう呼ばれます。元の英語は"preposition"ですから、ほぼ直訳したのでしょう。この前置詞とセットになる名詞のことを「前置詞の目的語」といいます。目的語は、他動詞の目的語が有名で、第3文型”SVO” の "O"のことです。今日は、「前置詞の目的語」という言葉を憶えてください。どちらの「目的語」も必ず名詞、または名詞要素です。

2 等位接続詞 

"fanboys"のことです。 for, and, nor, but, or, yet, so の頭文字をとって「ファンボーイズ」と呼ばれます。等しい位を接続するのですから、何と何が結ばれているのか、単語の意味が分からなくてもこの知識があれば判断しやすくなります。例えば、「名詞 and 名詞」[「形容詞 but 形容詞」「SVOC.(節) For SVO.(節)」という具合です。

この2つを、例文で説明します。今回は「河合出版 やっておきたい英語長文300」の中から1文だけお借りします。

  We may make inferences or draw conclusions that go far beyond what is explicitly stated in the text.

①先に"or"が出てきました。等位接続詞ですから、同じ位のものを結びます。ここでは、"make inferences" と "draw conclusions" ですね。may の後ですから、もちろん動詞の原形です。きれいに、両方とも目的語に複数名詞をとっています。このように、英文writerは、同じ形を好みます。

②次は、「前置詞+名詞」のセットを探します。文末の"in the text" 問題ありませんね。もうひとつ、「beyond + 名詞」が見抜けましたでしょうか。

what という関係代名詞が名詞節を作っています。つまり、"what is explicitly stated in the text" 全体で名詞の働きをしていて、同時に"beyond"という前置詞の目的語として働いています。その他、重要事項が満載で、コスパがよい英文です。スピードが重視される世の中ですが、時には、じっくり読むことが英語力を高めてくれます。

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